いつまでもあると思うな親と金
「一度で良いから親子三人でゴルフに行って」
先日実家に帰った時に母からそう言われた。
今年で71歳の母は60歳過ぎてからゴルフを始め、最近は親戚達と一緒にラウンドしているそうだ。
普段通り適当に誘いをあしらっていたが、今回はかなりしつこい。
ふと脳裏に、もう長く無いから最後に家族との思い出を作りたいのかという想像が頭をよぎったが、今仕事が忙しくて、とてもゴルフどころではない。
葛藤の末、あまり仕事に支障が出ない朝一の時間ならとゴルフに行く事を承諾した。
(ちなみに私はゴルフは3年に一度行くかどうかで、上手くもなければそれ程好きでもない。)
予定を後日連絡すると言っても母は聞かず、すぐさまゴルフ場を予約してしまった。
普段はすぐに予約なんてしないからこれは何かあると思わざる得ない。
こうして、初めて親子三人でゴルフに行くという有り難くないイベントが成立したのだ。
そして有り難く無いイベント当日が訪れた。
両親は無邪気にゴルフを堪能していたが、私は電話が鳴るたびに仕事が気になっていた。
そして病気を患っている的なカミングアウトの話がいつ出るのか待ち構えていた。
ラウンドは思いのほかスムーズに進み、何事も無く2時間で昼食の時間になった。
話が出るとするなら昼食のこの時間だろう。
母は注文をするなり、他のお客さんに取られないようバイキングのショートケーキをキープしていた。
ゴルフこそ三流だが食い意地は一流だ。
この遺伝子が私にも入っているのかと少し嫌になったが、最後の思い出作りになるかもしれないからと言葉を飲んだ。
そのケーキを大口で食べ終え、また三人で11月にゴルフに行こうと母が言い出した。
仕事も忙しいし子供も小さいからそんなしょっちゅうは行けないよと伝えたが、
「良いじゃん良いじゃん」「たまには息抜きしないと」
全く聞く耳を持たない。
しまいには「私が仕事を手伝ってやるわ、エクセルは出来ないけどワードなら任せて」
こいつ、まじか。
母は、私が自営業だから時間の融通もきくし、大して仕事も無く暇だと思っているようだ。
おまけにワードで出来る仕事だと思われているからたまったもんじゃない。
こちらがどんな思いで一日空けたか分かってないようだ。
帰り際には無料のアイスまで食べて満足そうにゴルフ場を後にしてった。
病気を患っている的なカミングアウトは皆無で私の想像は完全に杞憂に終わったのだ。
昭和町の家
建築が完成し、外構工事に入っています。
この字型の住宅を木製フェンスで囲む計画です。
フェンス前の基礎を打っている様子。
お隣のお車と建物に生コンが飛ばないように養生をしながら打っています。
アプローチの土間打ちも終わり、コンクリート工事は駐車場のみです。
中はほとんど仕上がっています。
造作ソファ
ラワンと真鍮の取手
10年後にも良い味が出るような住宅に仕上がりました。
お施主さんに聞いた話ですが、叔父さんが持っていた別荘に幼少期によく行っていたそうで、その建物がとても良い空間だったそうです。
その別荘の雰囲気やエピソードを聞いた時に方向性が見えた気がします。
年月が経っても空間の質は変わらないどころか熟成されていくような。
在家塚の家2
昨年お引き渡しさせて頂いた在家塚の家のご両親の住宅です。
屋根は寄棟で、軒を1400mm出しています。
こちらは建て替えで、皆様の思いが詰まった実家を解体して新築させて頂いています。
ご実家を解体する時に柱を一本取っておき、大工さんに穴埋めと削りをしてもらい新築で利用しました。
おじいちゃんとおばあちゃんが見守ってくれているみたいで、柱が入っているのを見た時はじーんとしました。
この日は断熱材の施工チェックと、造作家具の打ち合わせを大工さんとして来ました。
どちらも平屋の住宅ですが、敷地条件や家族構成、趣味や考え方で全く違う住まいになるから面白いですね。
住宅を決まった規格から選ぶのでは無く、その家族らしさを考えてご提案する事を大切にしています。
ではでは。